社会人プログラムの特徴
工学府では、昭和63年度から大学院設置基準第14条に定める教育方法の特例措置による昼夜開講をはじめとして、大学院における履修形態や教育方法の弾力化を図り、社会人学生の受け入れを実施しています。
昨今の社会を取り巻く変化を踏まえ、大学院へ求められている企業からの多様なニーズを反映し、高度な大学院教育、研究指導による社会人の再教育の場を提供するとともに、円滑な学位授与の促進を行うことを目的として、社会人プログラムを提供しています。
社会人学生のみに適用される新たな専門科目の新設、職場に関連した研究テーマの利用により、修了までに必要な単位を取得しやすく、柔軟な履修計画を可能としています。
その他、実社会において業務上必要となる高度な知識や能力の向上を図ることを目的とした実践科目を開設するほか、従来昼間に実施していた専門科目の一部についても夜間に開講しています。
併せて「長期履修制度」を導入していますので、職業を有していることにより、修学、研究時間が十分に取れないことを懸念する場合は、標準修業年限の2倍の年数を限度として在籍することで、計画的に教育課程を履修することができ、柔軟な授業料の納付も可能となります。
なお、この制度の利用を希望する場合は、合格後速やかに手続きを行う必要がありますので、あらかじめ指導予定教員と相談が必要です。
社会人科目の新設・開講形態の多様化
主な社会人向けの科目は以下のとおりです。
有職者に配慮し、平日夜間6時限目(18:00~19:30)、7時限目(19:40~21:10)に実施するほか、夏期集中、土曜日、隔年等でも開講される場合があります。
1.特別応用研究
「職場での対応科目(コラボレーション科目)」で、職場でこれまでに経験してきた実務的・研究的内容に関し、教員とディスカッションして理解を深めていくための科目です。この科目により、博士前期課程では6単位、博士後期課程では4単位をそれぞれ取得することができます。
2.プレゼンテーション
国際会議、学会等での口頭発表を通じて、研究成果のまとめ方、論文執筆や口頭発表の方法等について教員から指導を受け、これらの改善を図る科目です。この科目により、博士前期課程では2単位を取得することができます。
3.実践科目
実社会において業務上必要となる高度な知識や能力の向上を図ることを目的とした以下の科目を提供しています。
特許・MOT | MOT特論 知的財産論 |
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理数・情報系 | オブジェクト指向プログラミング 現代数学特論 |
教養・語学系 | 史的文明論と社会論Ⅰ 史的文明論と社会論Ⅱ 産業組織特論A 産業組織特論B 近現代産業文化史特論 ジェンダー史特論 持続可能社会と教育特論 マイノリティの人権特論 メンタルヘルス特論 現代哲学概論 環境学特論 |
4.社会人専門科目
各専攻においては、以下の専門科目を開設しています。(隔年開講を含む)
機械知能工学専攻 | 応用構造解析特論 弾性力学特論 知的システム構成特論 |
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建設社会工学専攻 | 地盤シミュレーション工学 バリアフリー交通論 |
電気電子工学専攻 | 先端電気工学特論 先端電子工学特論 電力工学基礎特論 ディジタル回路システム特論 |
物質工学専攻 | ナノ材料化学特論 材料科学特論 計算材料学特論 |
先端機能システム工学専攻 | MEMS工学特論 マテリアル・ナノテクノロジーフロンティア 先端半導体とそのプロダクトシステムへの応用Ⅰ 先端半導体とそのプロダクトシステムへの応用Ⅱ |
さらに、社会人に対応するため、以下の科目の夜間履修が可能です。(隔年開講を含む)
機械知能工学専攻 | 伝熱学特論 車両制御特論 |
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建設社会工学専攻 | 数値水理学 地盤工学特論Ⅰ 河川工学特論 |
電気電子工学専攻 | センシング基礎特論 電力機器基礎特論 電気材料特論 光伝送特論 |
物質工学専攻 | 光触媒機能工学特論 機能有機化学特論 工業反応装置特論 マテリアル複合工学特論 |
先端機能システム 工学専攻 |
半導体薄膜電子デバイス特論 オブジェクト指向プログラミング 生体機能設計学特論 |
上記科目を含む工学府の教授要目(H30)はこちらから
学位取得の促進
1.修士論文について
職場での課題に関連した研究テーマも選択できます。
2.博士学位の取得について
通常の課程学生と異なり、特別応用研究による単位取得が可能となるため、博士論文の作成により最短3年間(博士前期課程1年、博士後期課程2年)で学位を取得することも可能となります。
長期履修制度の導入
社会人は一般的に通常の課程学生と異なり修学上様々な制約を受けるため、学修の機会や学位取得を希望しながらも、修学、研究時間が十分に取れないことを懸念します。
長期履修制度は「職業を有している等のために一般の学生に比べて年間に修得できる単位数が限られ、標準修業年限で修了することが困難な社会人学生」を対象として標準修業年限(博士前期課程2年、博士後期課程3年)を超えて一定期間にわたり、計画的に教育課程を履修し、修了することを認めることができます。
長期履修制度を利用した場合、通常の課程学生が標準修業年限に支払う授業料の総額を、長期履修期間の年数で均等に支払うことになるため、修了までに支払う各年の負担も軽減されます。修了要件、学位授与等は通常の課程学生と同じ扱いとなります。
【例:博士前期課程修了時までに各年毎に支払う授業料の納付方法】
区 分 |
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 修了までに 要する総額 |
|
通常の 課程学生 |
年 間 |
535,800円 | 535,800円 | 1,071,600円 | ||
半 期 |
267,900円 | 267,900円 | ||||
長期履修 (3年)を 申請した 場合 |
年 間 |
357,200円 | 357,200円 | 357,200円 | 1,071,600円 | |
半 期 |
178,600円 | 178,600円 | 178,600円 | |||
長期履修 (4年)を 申請した 場合 |
年 間 |
267,900円 | 267,900円 | 267,900円 | 267,900円 | 1,071,600円 |
半 期 |
133,950円 | 133,950円 | 133,950円 | 133,950円 |
【例:博士後期課程修了時までに各年毎に支払う授業料の納付方法】
区 分 |
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 6年目 | 修了までに 要する総額 |
|
通常の 課程学生 |
年 間 |
535,800 円 |
535,800 円 |
535,800 円 |
1,607,400 円 |
|||
半 期 |
267,900 円 |
267,900 円 |
267,900 円 |
|||||
長期履修 (6年)を 申請した 場合 |
年 間 |
267,900 円 |
267,900 円 |
267,900 円 |
267,900 円 |
267,900 円 |
267,900 円 |
1,607,400 円 |
半 期 |
133,950 円 |
133,950 円 |
133,950 円 |
133,950 円 |
133,950 円 |
133,950 円 |
||
2年次 終了時に 長期履修 (4年)を 申請した 場合 |
年 間 |
535,800 円 |
535,800 円 |
267,900 円 |
267,900 円 |
1,607,400 円 |
||
半 期 |
267,900 円 |
267,900 円 |
133,950 円 |
133,950 円 |
||||
長期履修 (6年)の 申請者が 1年次 終了時に 3年に短 縮した 場合 |
年 間 |
267,900 円 |
535,800 円 |
535,800 円 |
1,607,400 円 |
|||
差 額 |
267,900 円 |
← 変更許可時に差額を徴収。 |
※長期履修期間は、博士前期課程は標準修業年限2年のところ最大4年、博士後期課程は標準修業年限3年のところ最大6年を、それぞれ限度として、「年」単位で取り扱います。
※相応の理由があると認められる場合は、長期履修期間の変更(延長・短縮)が可能ですが、各年次の終了1ヶ月前までに申請が必要です。また、履修計画最終年次での申請、変更は出来ません。
※上記金額は平成30年度の予定額であり、今後在学中に授業料の改定が行われた場合には、改定時から新授業料が適用されます。
その他
履修に関する事項は指導予定教員または工学部大学院係へお問い合わせ下さい。
工学部大学院係
Tel:093-884-3084