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応用化学科


原子・分子スケールから探る世界


どんな化学物質も高性能な顕微鏡でのぞくと原子や分子が見えてきます。同じように家電製品、自動車、ロボットなどの製品を細かくのぞいてみるとさまざまな化学物質が用いられており、「化学」の活躍が見えてきます。現在のものづくり産業は「化学」の力なしでは実現できない時代となっています。いろいろな性質を持つ新しい物質を作り、それを実用的な材料に結びつけ、さらには工業生産までを視野に入れて、研究・開発を重ねていく応用化学。「応用化学科」では、ものづくりの根幹に位置する化学の基礎を学び、次いでそれを応用するための知識・技術を修得できます。化学に関連する製造業に興味がある人や、幅広い分野の研究者・技術者として先端分野の第一線で活躍してみたい人。キミたちの未来を「化学」という名の顕微鏡でのぞいてみませんか。

研究室イチオシの研究

室内光で完璧な屋内殺菌・防かび、さらにCO2も有効活用できる「次世代光触媒」の力



横野 照尚 教授 機能触媒創製工学研究室
機能触媒創製工学研究室は、光エネルギーによりさまざまな機能を発揮する「次世代型光触媒」の開発を行っています。光触媒のひとつである酸化チタンは、1969年に日本人が発見した材料で、多くの防汚塗料、防曇製品などの応用製品が実用化されています。ただし、酸化チタンが性能を発揮するためには、紫外線を含む太陽光や、人工の紫外光の照射が必要なため屋外でしか利用することができませんでした。
これらの問題を解決するために横野研究室では、ナノテクノロジーを駆使した技術を利用してLED照明などの室内光でも光触媒機能を発揮する「室内光型光触媒」を世界に先駆けて開発しました。すでに電化製品、事務機器、内装建材、塗料などが製品化されています。室内光用高機能光触媒は、用途範囲が広く、駅や大学のトイレ・病院・老人保健施設・マンションなどの一般住宅に施工されています。今後は国内だけではなく海外も含め、より多くの老人保健施設や病院などでも活用されるようになるでしょう。
また、地球温暖化を解決するための「光触媒電極によるCO2還元システム」の開発も行っています。ナノテクノロジーを利用して光触媒粒子の形状や結晶構造の割合を変化させることで、還元能力が高い全く新しい光触媒の製造法が確立されつつあります。クリアしなければならない課題は多いものの、「厄介もの」であるCO2からメタノールやガソリンを作り出せる画期的な光触媒電極エネルギー生産システムの開発を行っています。


コース紹介

応用化学コース

「ものづくり」の理念を「化学」を通じて実現するための教育を行っています。環境・エネルギー・情報・バイオなど、あらゆる先端技術に関わる化学物質の知識を修得し、環境調和型の未来社会へ貢献できる技術者としての素養を身につけます。JABEE(日本技術者教育認定機構)のプログラムに基づいて、有機化学、無機化学、物理化学、化学工学などの専門分野を、体系的に学んでいきます。

学生の声 勉強していること


大学で化学の世界にのめり込んだ。新しい照明の開発に挑戦したい


田中 就斗 さん
川内高校出身(鹿児島県)


子どもの頃、大工をしている祖父を見て、自分も何か作りたいという思いをずっと持っていました。高校時代に化学が好きになり、化学系の学科で知識が高められそうな九工大の応用化学科を選びました。大学で原子や電子など目に見えないものを学び始め、身の回りの物の性質などが分かるようになり、ますます化学の世界にのめり込んでいきました。現在、蛍光体の研究をしていますが、今ある蛍光体よりさらに強く発光する蛍光体を作りたいです。その蛍光体をLED照明に活用できたり、新しい省エネルギー照明を作れたりすればいいなと思っています。友達と一緒にランニングを始めましたが、研究で行き詰まったときなどは、リフレッシュかつ良い刺激になります。受験生の皆さん、一人でプレッシャーを抱え込まずに、先生や親、友人など周りの人たちを頼りながら、受験勉強を楽しんで下さい。


卒業生の声 私のチャレンジ


九工大でマスターした技術で新製品を開発。人々の豊かな暮らしに貢献したい


藏本 晃士 さん
KHネオケム株式会社 四日市研究所
工学府 博士後期課程 物質工学専攻 修了
熊本西高等学校(熊本県)


三重県四日市市にある研究所で、有機合成技術をベースとした機能性製品を創りだしています。大学の研究室でマスターした有機合成技術を思う存分に発揮できることが、当社志望の動機でもありました。将来は新しい反応技術を確立し、新たな機能を有する製品を創りだしたいと願っています。それが人々の豊かな暮らしに貢献できれば、これ以上の幸せはありません。


ラテックスは縁の下の力持ち。世界に影響を与えるものづくりを続けたい


小野 麻実 さん
旭化成ケミカルズ株式会社 機能性コーティング事業部
工学府 博士前期課程 物質工学専攻 修了
大分上野丘高等学校(大分県)


日本はもちろん海外でも需要があるラテックスというポリマー粒子の水分散体の研究・開発をしています。ラテックスは、塗料・建築物・家具・お菓子の化粧箱に至るまで多彩に使用されており、見えないところで世界を支えている素材です。このように、人々の暮らしに影響を与えるものづくりを通して、世界に必要とされる研究者になりたいと思っています。


主な就職先


[ 化学] 旭化成、東ソ一、デンカ、カネカ、東レ、昭和電工、JNC、三菱ケミカル、住友化学、日揮、シャボン玉石けん、日立化成、日東電工、新日鉄住金化学、JFEケミカル、住友精化、横浜ゴム、クラレ、三菱ガス化学、関西ペイント、ダイセル、中国化薬、日本ペイント、戸田工業、日本化薬、荒川化学工業、三洋化成工業、アロン化成、日産化学工業、日油、日本ゼオン [ 鉄鋼] 新日鐵住金、三井金属鉱業、昭和鉄工、住友金属鉱山、JX 金属、日本製鋼所、日本軽金属 [ 自動車]トヨタ自動車、本田技研工業 [ 電気] 富士電機、ルネサスエレクトロニクス、古河電気工業、ニチコン、ロ一ム、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング[ 情報通信] 凸版印刷、大日本印刷、イビデン、日立マクセル [ その他]ニプロ、理想科学工業、テルモ、大王製紙、ユニ・チャーム、リンテック、日本タングステン、レンゴ一、三井ハイテック、LlXIL、セントラル硝子、太平洋セメント、TYK、NTN、京セラ、黒崎播磨、ヨータイ、ニチアス、岩谷産業、ホソカワミクロン、石原産業、タカギ、日本電産、長府製作所、山九、NOK、三浦工業


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